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大企業や海外駐在を経て、何故”おそうじ”?【テシガハラショウ】

引用人生BOOK公式Instagram

今回の記事では1人の経営者の、”キャリアの繋げ方・長所の活かし方”について、多くの事を教えてもらった。進学や就職に悩む10代、転職やキャリアアップに取り組む20代、独立の野心と守るべき家族との狭間で葛藤する30代。どの世代が読んでも為になるだろう。

 

バイタリティ溢れる経営者、勅使河原将さんが凄かった!

誰もが学歴や職歴、大企業への就職で”安定した生活”を目指す時代に、自らその安定を手放してまで挑戦する男性がいた。

その人こそ今回の主役、勅使河原将(てしがはらしょう)さんだ。

華々しいキャリアや、所謂”映える”写真が多かった海外生活。一見、側から見ていると”成功者”であるという認識は筆者だけでなく、多くの友人知人も感じていた事だろう。SNSの浸透により多くの知人の近況を知れる現代において、その苦悩までは計り知れない事を知っておくべきなのかもしれない。

大企業での職を捨て海外での武者修行を経て、”お掃除”で経営者としてスタートしたのち、オーダーメイドのヒストリーブック”人生BOOK”の制作に参加するまでの本音に迫る。

 

勅使河原将さんって?

  • 1986年生まれ
  • 福岡県出身

 

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学生から大企業へ

少年時代、人よりも少し成長が早かった勅使河原さんはバスケットボールに夢中になった。当時はマンガ”スラムダンク”の影響もあり、多くの子供達がバスケに夢中になるなか、一際大きかった勅使河原少年もよく友人に誘われる事からバスケに熱中した。

スポーツと両立し高校も有数の進学高へ入学を果たすが、大学入試では挫折を味わう。一浪して入学したのは関西の同志社大学。充実した学生生活を送りつつ教育への関心を高めていく。しかしその後の就活を経て、”株式会社ニトリ”へと就職を果たす。

勅使河原さん曰く、教育への関心はあったものの、学校・教員という限られた狭い環境へ進む気にはなれなかった。けれども仕事は決めなくてはならない。”ぼんやりと将来独立したいなぁ”という思いはあったものの、何かやりたい事がある訳でもない。

何故ニトリへ?

そんな時、ニトリには配転教育という部署移動があり、莫大な経験値を積むことができるのでは?と考えた勅使河原さん。その予想は的中するどころか、ご本人も驚く程の充実した日々を過ごす事になる。

入社1年目から規模は小さいながらも店舗スタッフのマネジメントも経験。大規模店舗を運営するニトリだからこそ、「どう人を配置して、効率的にオペレーションを組むか?」には大いに頭を悩ませたが、その経験は今にも生きていると言う。

シンプルな商いの楽しさを実感!

その後も順調に店舗運営や新卒採用などを経験し、ニトリでは多くの事を学ぶ事になるのだが、その中でも1番大きかったのがお客様に何かを売って喜んでもらう”シンプルな商いの楽しさ”だった。

 

株式会社ニトリ

1967年創業。店舗数は国内外合わせ607店舗。グループ従業員数は29936人。時価総額は上場時のなんと106倍!

日本人の生活を支える大企業。

(2020年2月20日現在)

数字で見るニトリ|ニトリグループについて|ニトリホールディングス

 

大企業を退社。海外へ武者修行

  • ニトリのグローバルトレーニー制度で南アフリカへ出向。
  • 小型航空機を活用したエアタクシー事業を運営する企業へ転職。主にハワイ事業を手掛け、ハワイに駐在。

 

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華々しいキャリアアップをしていたとある頃、勅使河原さんにとっての転機が訪れる。

ニトリにはグローバルトレーニー制度という、グローバル化する社会の中で、海外勤務に興味のある若者に、実際に約1年間の海外勤務にチャレンジできる制度がある。

【グローバルトレーニー制度】
若手のうちから海外勤務を経験できる制度。グローバル展開が本格化するニトリを支える、人材の育成が目的です。一定の語学力と2~3年以上の店舗経験があれば、誰でも応募が可能。選考後、 中国・ベトナム・マレーシアなど 、さまざまな地域に1年間程度派遣されます。

ニトリは若手社員でも海外勤務ができる!グローバル制度で中国に派遣されている@daikにインタビュー | ニトリン

 

途上国の経営者たちの熱意に触れる!

2014年、勅使河原さんもこの海外武者修行に参加する為の社内公募の末、JETROの南アフリカ共和国ヨハネスブルク事務所に出向する事になる。

JETRO出向時は、実際にビジネスを行う主体ではなく、そのサポートが主な役割だった。日本と南アフリカのビジネス交流を促進支援するという命題の元、市場調査やマーケティング、展示会、ビジネスミッションの派遣、セミナー運営などを行った。

2014年ー2016年の南アフリカ共和国滞在中に見たのは、スタートアップにチャレンジする多くの経営者達の躍動する姿だった。その姿勢や熱意に触れるうち、しだいに「やっぱり自分もサポートするより自分自身で事業を起こしたい!」という決意に繋がっていく。

 

日本貿易振興機構(JETRO)

ジェトロは貿易・投資促進と開発途上国研究を通じ、日本の経済・社会の更なる発展に貢献することを目指しています。
70カ所を超える海外事務所ならびに本部(東京)、大阪本部、アジア経済研究所および国内事務所をあわせ約50の国内拠点から成る国内外ネットワークをフルに活用し、対日投資の促進、農林水産物・食品の輸出や中堅・中小企業等の海外展開支援に機動的かつ効率的に取り組むとともに、調査や研究を通じ我が国企業活動や通商政策に貢献します。

ジェトロについて | ジェトロ

 

 

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スタートアップに参加!ハワイでの成果は?

ニトリを退社後は、一般の転職サイトで見つけた小型航空機を活用して”空の移動をより自由にする”を掲げたエアタクシー事業を手掛ける企業へ復職する。

2018年当時10人にもみたない小さな会社だったが、ここではサービスインの準備段階から加わり、まさに事業を作る経験をする。

主に海外事業を担当し、ハワイにて事業計画の作成、現地パートナーとの折衝、契約締結、販促活動、オペレーション構築など本当に忙しい日々を送っていたがニトリ時代の経験が役にたった。

対人とのコミュケーション力や、いかに”ムダ・ムラ・ムリ”を省いて効率的にオペレーションを組むか?はニトリ時代に学んだ事。今の自分に出来る事は全てやった。

 

終わりを迎えるのも早かった

スタートアップに参加し主導していく事にやりがいはあったが、同時に事業を継続し利益をあげていくことの大変さも痛感した。

事業の中心に立ち【”やりたい事がやれた”サービス】は集客に繋げる事ができず、誰の為か?が明確になる前に頓挫し、人生で2度目の大きな挫折を味わう事になった。

 

経営者として再スタート

  • 2019年 おそうじ本舗のフランチャイジーとしてスタート。(個人事業)
  • 2020年 株式会社カノエ設立(法人化)
  • “やりたい事”人生bookに参加

 

2019年春、ハワイから帰国後は”自分自身で責任を持つ”事を誓い、何の事業からスタートするかを模索していた。

ハワイでの航空事業ではゼロイチで立ち上げて、かつ認知されて利益を上げていくことの大変さを知った。事業は作ったら完成ではなく、必要とされなければならない。その為の認知や集客、日々の反省から生まれる改善。完成度を高め、より満足度の高いサービスになった時こそが必要とされる。

『だからこそ、フランチャイズ事業を選んだ!』と勅使河原さんは言う。

 

女性の社会進出の先の可能性

当時、社会の大きな話題は”男女平等・女性の社会進出”だった。2021年現在においても東京オリンピック然り、官民共々”女性の社会進出”の壁は完全には取り除けないでいる。しかし独立する事業で悩んでいた勅使河原さんにとって、この社会問題は大きなヒントとなる出来事だった。

女性の社会進出の先にある可能性は、共働き世代の増加によるハウスクリーニング業界の発展を予測する。それに加えて、今まで培ってきた経験も生かせるかもしれないと考えた。

  • お客様とのコミュケーション力
  • 反省からの改善へのスピード感
  • 効率や完成度を高めるオペレーション
  • 忍耐強く継続する力
  • 共に働くスタッフの魅力を引き出す、チームマネジメント
  • 0→1の難しさ

ハウスクリーニングのフランチャイズ事業は、市場も拡大しており、固定費も少なく損益分岐点が低い。ポジティブな面もネガティブな面も全て踏まえた上での決断に間違いはなかった。開業初月からしっかり儲けがでて、会社員時代より多い月収を初月から稼ぐことができた。

 

やるべき事とやりたい事

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勅使河原さんは言う。「本当にやりたいこと、0→1でこだわってやりたいことは、しっかりした安定基盤を作ってからでいいというのが僕の基本的なスタンス」だと。

“事業を立ち上げる・独立をする”というのは周りの人間からすると、カッコいい事・成功への一歩かもしれない。しかし経営者になるという事は、守るべきスタッフや守るべき家族の事も考える。

“やりたい事”をやる難しさを知っている(経験した)、勅使河原さんの攻撃への組み立ては“まずはボールを相手コートへ運ぶこと!”から始めたに過ぎなかったのだ。

 

【おそうじ本舗 大井町店】

おそうじ本舗大井町店公式Instagram

 

ヒストリーブック【人生BOOK】とは?

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まずお伝えしたいのは、この“ヒストリーブック【人生BOOK】”が、今流行りのセルフオーダーフォトブックとは全くの別物だったという事。筆者も取材を通して気づいたが、新しい”ヒストリーブック”というジャンルが面白い!

 

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主に依頼はご家族からギフトとして、子から親へ。祖父母から孫へ。などが多いそうなのだが、制作には聞き手になる専門スタッフ、構成を考えるデザイナー、お客様となるご本人の3者で作り上げていく。(ここで掲載する写真や文章を一緒に決めていく)

 

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制作には丁寧な訪問とインタビューを数回行い、一回の訪問には数時間をかけ、インタビューという名の雑談に花が咲いてしまうことも多いのだとか笑。しかし、このコミュケーションこそが”人生BOOK”の出来を左右する。

どうしても家族間での会話だと、親の思い出話も「アナタが産まれた時は〜」「小さい時は〇〇に行って〜」など、共有相手の子供がわかる話になる事が多い。

しかし第3者がインタビューする事により、完成品を見た子供(依頼主)も知らなかった思い出話が出てくる事が多い。お客様であるご本人の中に、潜在的に潜む思い出話を吐き出せてこそ”人生BOOK”は完成する。

 

人生BOOK”立ち上げ秘話!

実に2年の時間を費やし基盤を固めた先に見るサービスは、2016年もうすでにスタートしていた。実は勅使河原さんの弟の航さんが2016年に個人事業として立ち上げたのが、この人生BOOKだった。

しかし、ゼロから事業を成功させるには時間もお金も労力も計り知れないモノなのは周知の事実。多くのメディア掲載がありながら、個人事業の規模を抜けられずにいた。

そこへきてコミュニケーション力が武器の兄が、攻撃の加勢に加わり、兄弟での”やりたい事”を実現させようとしているから面白い!

 

いきなりゴールは狙えない。

バスケットボールでもボールを運ぶ役回りがあり、多くのパスを繋ぎ、ゴールを狙う。時に速攻が必要な時や、じっくり時間をかけて組み立てる事も必要だろう。

経営者・勅使河原将さんの場合も守るべき家族の為、スタッフの為に絶対に決めたい1本のゴールに数年を掛けたと思っていたが、フランチャイズ事業から始めた事は0→1を飛び越え、速攻の攻撃スタイルを選んだと言っていい。

取材の最後には「次にやりたい事もある、まだ言えないけど昔からチャレンジしてみたかった事。」と勅使河原さんは笑った。

奇しくも長い年月と経験を経て、お客様に喜んでもらう”シンプルな商いの楽しさ”に挑み続ける事になった。

 

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