3月から6月頃、春先から初夏にかけてシーズンを迎える潮干狩り。グループでアクティビティとしても楽しいですし、帰宅後の食材としても大人から子供まで大人気!
今回は潮干狩りに行く前に、知っておくと取れる量に直接関わる様なポイントや、基本となる服装や道具まで徹底解説したいと思います。
地域によって取れる貝の種類は違いますが、基本は一緒。是非楽しい休日の参考になれば嬉しいです!
取って食べて!グループで楽しめる「潮干狩り」完全マニュアル
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潮干狩りと聞くと、やはり「アサリ」が最初に思い浮かぶと思います。確かにアサリの漁獲量が多いのは北海道、愛知県、福岡県と全国に生息していて、身近な獲物貝です!
ところが高級食材のハマグリや食べて美味しいマテ貝、他にもホンビノス貝なども潮干狩りでは出会う事ができます。
春から初夏にかけて楽しめる潮干狩りでは、塩の満ち引きが重要。普段海に浸かっている場所が陸上に現れる時を狙って楽しむので、忘れ物で干潮の大切な時間を失わないようにしなければなりません。
初めて潮干狩りに行く方は、持ち物に忘れ物がないか注意しましょう。
干潮を狙う
忘れ物に注意!
潮干狩りが楽しめるシーズンは?
潮干狩りではターゲットとなる貝の産卵時期なども関連しますが、それよりも普段海水に浸かって立ち寄れないエリアが露わになる時期というのがポイントです。
3月〜6月の春頃は潮の満ち引きが大きく、昼間の干潮時に遠くまで探索できるというのが、潮干狩りのシーズンの目安。全国各地、場所によって多少ずれる事もありますが、毎年ゴールデンウィークは各地が賑わいます。
例えばアサリは3〜5月頃と9〜10月頃に産卵時期を迎え、産卵に合わせて栄養を蓄えるので、身が大きく食べて美味しいとされています!
ハマグリ:5月から7月
マテ貝:5月〜7月
潮干狩りは秋にはできないのか?
「どうしても混雑時期は避けたい」という方もいると思います。アサリの産卵時期も2回あるのだから、秋にも楽しめるのか?
YESかNOかで答えろと言われれば、「やめた方が良い」になりそうです。
先程も触れましたが、潮干狩りは潮の満ち引きによって、干潮時のより潮が引く時期・時間をシーズンと呼んでいます。そして、その満ち引きが大きくなる季節が春と秋なのですが、秋の大きく潮が引く時間帯は真夜中。(春は真昼間)
潮の満ち引きは月の重力の影響なので、「北海道がダメなら九州で!」という話ではありません。
潮の満ち引きは季節や時間帯、月との位置関係で大きく変わりますので、必ず潮干狩りに出かける前に「潮見表」を確認しなければなりません。
日本の太平洋側の満潮と干潮の差は1.5mあります。日本海側は太平洋側にくらべると小さく、40cmです。世界でもっとも満ち引きが大きいのは、カナダのファンディ湾で、15mにもおよびます。これはビル5階分にもなる高さです。また、アジアで大きいのは韓国の仁川で、10mほどの満ち引きがあります。水が引くと停泊中の船は、まるで座礁したようになってしまいます。
潮干狩りが楽しめる時間帯を確認する方法
読んで字の如く潮干狩りは、潮が引いてる干潮時に干潟が広く現れるので、メインの時間帯になります。
また一日の中で潮が高くなる満潮が2回、逆に潮が低くなる干潮も2回ありますが、どちらも潮位が同じ高さという事は無いので、必ず潮見表を確認しなければなりません。
もしかすると皆さんもカレンダーなどで、大潮や小潮という言葉を見た事があるかもしれません。海釣り好きやサーファーの方には馴染みのある言葉ですが、この大潮の日が1番海の潮が動く(満ち引きが大きい)ので、潮干狩りでも大潮の干潮時間前後が狙い目と言えます。
潮干狩りが楽しめる場所・海岸
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潮干狩りは干満の差が大きい太平洋側では日本各地で楽しめる上、無料で開放されている海岸も点在します。
男性のみのグループで楽しむ場合は良いですが、女性やお子さんが同伴の場合には事前にリサーチしてから行くことをオススメしておきます。
本来ならいるはずのアサリなどの貝も、当たり前ですが取り尽くされればいなくなります。無料スポットへ行く時には人が手をつけていない、なるべく沖へ出る事が収穫量を増やす秘訣!人気スポットよりも穴場な場所と出会えると、予想以上の成果に結びつきます。
しかし、お子さんや女性が一緒ではそうはいきません。
安全も大事ですし「トイレや関連施設が充実している方が良い」という方は、是非有料の場所へお出かけください。有料の潮干狩り会場では稚貝を放流している事も多く、無料の海岸よりは貝を取れる可能性も高くなります。
潮干狩りをアクティビティとして楽しみたい方には、有料といっても潮干狩りはそんなに高い事は無いので、最初は有料の場所で確実に楽しんでください。
潮干狩りに必要なモノ一覧
ここからは潮干狩りを楽しむ上で、事前に必要になる道具や服装を紹介します。
取る為に必要なモノ
まず貝を取る為に必要なモノは熊手。アサリやハマグリなどの貝を掘り起こす為に使います。最近では熊手は100均でも購入出来るので、人数分あると便利です。
他にはマテ貝を狙う場合は、鍬(クワ)かショベルと塩が必ず必要です。地面に開いた小さな穴に食塩を入れて、驚いて出てきたところを捕まえます。
潮干狩り中はどうしても手が濡れるので、食塩を100均で購入できるプラスチックのソース刺し(マヨネーズとか入れそうな)を用意してください。コレがあれば、一々手を拭かなくても食塩を穴に目掛けて投入できます。
取った貝を確保しておくモノ
潮干狩りで取った貝を都度戻ってクーラーボックスに入れるのは無駄な作業。掘っている場所で確保しておくのがセオリーです。その為にバケツなど大きめの入れ物を用意しましょう。
掘り出した貝は泥にまみれているので、ザルがあると必ず役立つのでお持ちください。ザルは貝の選別や泥を洗い流す時にも活躍します。
大人の方が沖を目指すなら、海水が太腿程度でも潮干狩りは楽しめます。そんな場所ではバケツでの保管は困難なので、ネット(網)で代用すれば保管も洗い流す作業にも対応できます。
貝を持ち帰る為に必要なモノ
取った貝は自宅で美味しく召し上がってください。その為にもクーラーボックスか、クーラーバックがあると便利です。
必ず保冷剤や氷も忘れないように!あとは飲料用としてでもいいので、大きめのペットボトルがあれば砂抜きが簡単にできます。
取った貝と一緒に海水を持って帰れば、あとはその海水に貝をつけておけば自然と塩抜きが完了します。海水がなければ、自宅で海水位の塩水を作らなければならないので、帰宅後の手間が省けます。

あれば便利なモノ
あれば便利なモノは上げ出すとキリがないですが、休憩の事は忘れないようにしておきましょう。
長時間屋外で過ごすので、天気が良い日はシェード(ポップアップテント)があれば快適です。後は昼食と併せてドリンク類や、もしもの為に絆創膏もあれば便利!
大人の方は貴重品も多いかと思います。海水浴やプールに行く時に活躍する、防水ケースがあれば安心して潮干狩りが楽しめるのでオススメです。
帰り支度の時に思うのは、何もかもが砂だらけなので車の荷室に大きなシートが有れば便利!マイカーの汚れを防いでくれます。
潮干狩りでの服装は?
潮干狩りでは必ず膝下迄は汚れるので、汚れてもいい半ズボンが最適。お子さんなら転んだりもあるので、いっその事水着を着させるのが手っ取り早いです。
どんなに暑そうな日でも薄い長袖はお持ちください。濡れて寒かったりします。
足元は長靴があれば1番良いですが、なければ汚れても良いスニーカーやマリンシューズも良いですね!足元は、とにかく足が泥に取られるので、脱げない事を大前提に選べば大丈夫です。
その他、日焼けが気になる方は帽子。女性やお子さんの為にも、日焼け止めを忘れずに!
潮干狩りでの捕まえ方(マテ貝の場合)

アサリやハマグリは想像がつく方も多いでしょうから、今回はマテ貝の捕まえ方を紹介します。
まずは鍬かショベルを使って、土の表面を2,3cm程度削り取り、小さな穴を見つける作業からです。
マテ貝が取れる干潟では比較的簡単に、マテ貝が住んでいる穴を見つけられますが、見つからない場合は何度か場所を変えてみるのも良いですね。

穴が見つかれば持参したお塩を穴へ直接投入!
すると、突然塩分濃度が変わった事に驚いてマテ貝が飛び出してくるので、そこを逃さずキャッチして優しく引っこ抜きます。マテ貝は驚いて出てくるだけなので、キャッチしなければ直ぐに穴に逃げ込んでしますので、心の準備が必要!

やり方さえわかれば、子供達の方が遊びは上手です。ドンドンと捕まえまくりです。マテ貝は捕獲後に放置してしまうと、穴を掘って逃げ込んでしまうので、マテ貝を狙うなら捕獲後はネットでなくバケツに保管しましょう。
どうしても穴が見つからない場合は、先客に取り尽くされている事も考えられるので、思い切って大きく場所を変えてみるのも一考です。
潮干狩りで出会える貝
アサリ

汽水域を好み、浅くて塩分濃度の薄い砂地・砂泥底に生息するアサリ。同じ模様を発見するのが困難な程、色々な模様をしていますが大きさは最大で6cmくらい。
アサリは一生を通してそんなに動く訳ではないので、普段海に浸かっていないエリアには生息していません。アサリを探す時には波打ち際で、小さなポツポツと開いた穴を探してみるのも良いですよ!
アサリの水管は長くても数cmなので、熊手で掘る時に5cmも掘ればOK。一度アサリを発見できれば、アサリは仲間と一緒に生息しているので周辺を探してみてください。
アサリを見つけやすいポイントですが、一般的には波打ち際や駆け上がり(海中の坂道)、まだ手が付けられていない沖側が狙い目です。
それ以外に「アサリはあまり動かない」という生態から考えれば、アサリは稚貝の間は藻類を餌としています。なのでこれらのポイントと併せて、藻や海藻が生えている浅場を探してみると、思わぬ収穫にありつける事があります。
普段海水に浸かっていない場所はNG
一度見つければ、仲間がいるかも?!
藻や海藻の周りもチャンス
はまぐり

ハマグリの生態はアサリとよく似ており汽水域を好みます。大きな違いといえば、大きさはアサリよりも大きく殻長が10cm程度のモノも。またアサリよりも水質に敏感で、綺麗な海を好みます。
潮干狩りではアサリと併せてよく取れるハマグリですが、一般的にはアサリよりも深場にいるとされ、15cm〜20cm程度まで深く潜る事も。
貝を探す時に目安にする穴(吸水管)が大きいので、アサリを探している時に少し大きな穴を見つけた時には深めに掘ってみましょう。
ハマグリは密集度合が低い上に、アサリなどとは違い海中を素早く動く事も出来るので、ハマグリだけを大量ゲットするのは至難の技です。基本的には潮干狩りを楽しみつつ、出会えればラッキーくらいで丁度かなと思います。
穴(吸水管)が少し大きいので見つければチャンス
大量ゲットは難しい
マテ貝

独特な形をしたマテ貝ですが、取れ易さ・旨さ・下処理の楽さなど、どれをとっても格別で初めての潮干狩りではオススメしたい獲物です。
マテ貝は干潮時の砂浜の表面を軽く掘り、見つけた穴に直接塩を入れ、出てきた所を捕まえる。これはマテ貝が塩分濃度の変化に敏感な生態を利用し、ビックリして出てきた所を捕まえるという漁獲方法。
砂浜には同じようにカニなども穴を掘りますが、マテ貝の穴の形は菱形をしています。取った後は海水に浸けて持って帰れば、ほぼほぼ塩抜きが完了するのも魅力の1つです!
穴の形が菱形に似ている
海水に浸けて持って帰れば塩抜き完了
ホンビノス貝

参照FOODIE
外来種として嫌われていたホンビノス貝も、近年では数が少なくなっているハマグリの代用品として人気を集めています。2007年以前までは「大アサリ」と呼ばれていましたが、中部地方沿岸で食べられている大アサリは和名ウチムラサキという別品種。
またホンビノス貝を大ハマグリや白ハマグリと呼ばれている事がありますが、実は白ハマグリも別の品種なので間違いです。
皆さんが気になる”ハマグリとの見分け方”は、ハマグリが平たい形をしているのに対して、ホンビノス貝はかなり丸みを帯びています。
色はハマグリの方が赤みがかったモノや黄色みがかっているのに対して、ホンビノス貝は白っぽいグレーから黒ずんだ色まで。
生態はアサリやハマグリよりも低酸素や低塩分に耐性が強く、他の貝が住めないエリアにも分布します。
外来種として有名なホンビノス貝ですが、英名では「出世魚」ならぬ「出世貝」として大きさにより名前が変化。アメリカ東海岸発祥のクラムチャウダーといえば、このホンビノス貝を使う程、味わいも良く、海外でも人気の貝です。
貝の塩抜き方法
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通常砂抜きをする時には海水に近い塩分濃度の塩水に浸ける為、3%を計って塩水を作らなければなりません。基準は100mlで3gですから、500mlのペットボトルの量の水なら15g。(大さじ1杯は15g)
しかし潮干狩りでは、貝が住んでいた暮らしやすい海水が目の前にあるので、ペットボトルで海水を持ち帰れば砂抜きは簡単に行えます!
- まず貝を真水でよく洗い、表面のヌメりや汚れを落とします
- 次にザルを重ねたボールに入れ、海水を貝が被る程度に注ぎます(ザルを重ねる事によって吐き出した砂は下に落ち、貝がもう一度砂を吸い込む事が無くなります)
- 海水に浸けた貝は常温で半日程置きます。貝は海では砂の中に居るので同じ環境を再現するように、ボールをアルミホイルなどで覆い、暗くしてあげましょう。
水温は20℃前後がベスト
暑い日には涼しい場所に置くか、適度に冷蔵庫に入れてあげる
貝が砂を吐いている事が確認できれば時間を待たずに砂抜き完了!
あとは美味しく食べるのみ!
砂抜きの終わった貝は、あとは美味しく食べるだけです。お子さんに人気はバター焼きやパスタ。大人の酒の肴なら酒蒸しがオススメ!
是非、疲れを忘れる美味しさを味わってください。